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8月は熱い

この頃になると戦争関係の番組が多くなります。経験者がどんどん少なくなってきて、

語られることが少なくなると、文字か映像に残さないと伝承できなくなります。

先月、戦没画学生慰霊美術館無言館のコレクション展があり、拝観してきました。

以前から一度訪れたいと思っていた美術館の絵を見て重い気持ちで帰りました。

描かれているどの人物も微笑んではいませんでした。慈しみと悔しさと無念さ

のあふれる絵をみて、戦争を指導した上層部の無責任を想わずにいられません。

今、笠原十九司著の日中戦争全史を読んでいます。上巻を読み終えたとこですが、

日本軍の組織の年功序列重視は能力や適性を無視し、誤った作戦を次々後追い承認し

それが命令に反して戦線を拡大しても、後で認められると解釈されて益々統制が

効かなくなり、戦争拡大派が慎重派を追い出して中枢を占めてしまう。皇族の元帥も

拡大派で天皇も感化させられてしまい、止められる者は誰もいない。南京攻略に至る道は

略奪と虐殺の毎日で近年のベトナム戦争に重なって見えます。戦争の核心は人殺しです。

敵を殺すだけでなく、味方の上官が死ねと強要するのです。特攻、突撃、自決、いずれも

上官の命令です。その上官たちは戦後口を閉ざし、証拠を焼却し戦後のどさくさに紛れ

同じ苦労した仲間のような顔をしています。オウム裁判では7名が死刑になりました。

東京裁判でも7名です。少なすぎますね、これだけの殺戮が7名の指導で出来た訳ではありません。

将官,佐官、軍令部、作戦部、これらの者の責任追及は戦後うやむやのままです。その付けは

今降りかかっているようです。上級公務員のモラルの低下、責任転嫁、証拠隠滅、政治家も

上から下まで、右も左も堕落の一途、おまけに大学、スポーツ、もいちばん良識のあるはずの

トップの人たちがおかしいのです。日本人は戦後復興を果たし、経済成長を遂げ、生活が豊かになり

平和を愛する民族になったと思っていました。戦争責任の追及をしなかったせか、みんなが平和を望み

戦争に反対を叫ぶようになり、日本人が海外で起こしたことは忘れてしまいたいように思えます。

人は殴った事は忘れても、殴られたことは決して忘れないと分かっていても、目を瞑ってしまいます。

原爆の日にサイレンが鳴り、歩いていても立ち止まって手を合わせます。戦争は止めましょう、原爆禁止

と叫んでも、アジアで犠牲になった人たちにどれほどの心を寄せてるのか疑問に思います。自分たちが

犠牲を払った日はアジアが犠牲を払わされた日でもあります。終戦記念日は日本人の犠牲者だけでなく

世界の犠牲者のために同時に祈らなければならないと思います。豊かになった日本が憲法を改正し自尊自衛の

道を探る動きが急です。改正派には戦争責任の反省がなく、文民統制も危うい状況が見られます。反対派には

自主独立の理念が希薄です。もっと議論を重ね民意の集約が必要です。急ぐべからず慎重に、改正は必要なの

ですから。書きたい事はまだあるのですが、下巻を読み終えた後機会があれば述べたいと思います。

写真はヒゴダイ公園の花たちです。


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コメント 1

らしゅえいむ

上官がね。
おっしゃるように、今の時代に置き換えれば、
そうだったんだろう、と想像できますね。

by らしゅえいむ (2018-08-26 19:23) 

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